1 豆次郎 ★ 2017/05/31(水) 11:17:06.72
太っている人の手術は大変であるーーー
外科医なら誰もが同意するこの事実。
本記事では、「肥満と手術の関係」について外科医の視点から解説します。筆者は大腸癌を専門とする外科の医師で、胃腸を切ることを専門としています。
太っていると採血するのも一苦労
記事の始めに、ここでの「太っている」がどれくらいかを示しておきます。
人間がどれだけ太っているかを考えるのに重要なのは身長と体重のバランスなのですが、例えば155cmで72kg, 160cm で77kg, 165cmで82kg, 170cmで87kg, 175cmで92kg以上の人をさします。
太っている人の採血をするのは、いつも大変です。
採血って、腕のひじにある細い静脈ですることが多いのですが、太っている人だと脂肪に埋もれてしまい見えづらいのです。
このひじの静脈はだいたい3mmくらいの直径です。
太っている人でも血管の太さはあまり変わりないので、相対的にはとても細くなります。
採血をするときは普通、目で見て静脈の青い色が皮膚から透けて見えるのを助けにします。
ですが、太っている人だとそれも見えないのですね。
見えないときは触って血管を探しますが、埋もれているためやっぱり探しづらいのです。
太っている人にやりづらいのは採血だけでなく、点滴も同じです。点滴は採血をするような細い手の静脈に管を入れることが普通なので、脂肪に埋もれているとやっぱり入れづらいのです。
太った人の手術は値段が違います
そしてあまり知られていない事実なのですが、太った人の手術は値段が高くなります。
手術にもよりますが、最低でも8万円以上は高くなってしまうのです。
これは、上に書いた身長と体重のバランスよりもさらに太った人の場合です(BMI>35)。
身長が165cmの人で95kg、170cmでは101kg以上になります。
ただし、患者さんが払う額が8万円高くなる訳ではありません。その人が入っている保険にもよりますし、高額療養費制度を利用すると減額されます。
しかし、値段が上がるということはどういうことなのでしょう。
手術を一件すると病院が得られるお金というのは、日本中どこでも同じで決まっています(保険診療に限りますが)。
正確に言えばここで値段が高くなるというのは、麻酔の料金が上がるのです。
つまり国が「太っている人の麻酔は大変だから、お金を多めにつけますよ」と言っているという意味に他なりません。
では麻酔をかける際に、太っている人だと何が難しいのか。
これは非常にたくさんあるのでキリがないのですが、一部をあげれば「麻酔のために使う、患者さんに入れる管を入れる難易度が上がる」ことが挙げられます。
例えば全身麻酔であれば、口から気管という空気の通り道に人差し指くらいの太さのチューブを入れますが、これがまずとても入れづらい。
さらに背中からいれる「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」と呼ばれる痛み止めの管は、痩せている人に比べるとはるかに入れづらいのです。
痩せた人には6cmくらい刺せば入れられる管が、太っていると10cmくらい必要になることもあるほどです。
外科医にとっても肥満の患者さんは「宝探し手術」
一方、私のような外科医にとっても太った患者さんの手術は難しいのです。
お腹のなかの腸を切る手術でお話します。腸を切るためには血管を切らなければなりませんが、その血管はとっても豊富な脂肪に包まれています。
痩せている人であれば透けて見えるような血管も、太った人は厚い厚い脂肪の中を少しずつ切り進んで探さねばなりません。
まるで「宝探し」のようなものです。当然血管を傷つける可能性も高まりますし、手術にかかる時間も長くなります。
それ以外にも、あらゆるところで脂肪がせり出してくるために胃や腸などの重要な臓器が見えづらくなります。見えづらいということは、傷つける危険が増すということです。
こんな理由で、外科医にとっても太った患者さんは手術が難しくなるのですね。筆者の感覚でいえば、30分や1時間は痩せた人より手術の時間がかかってしまいます。
続きはサイト先で
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6241569
外科医なら誰もが同意するこの事実。
本記事では、「肥満と手術の関係」について外科医の視点から解説します。筆者は大腸癌を専門とする外科の医師で、胃腸を切ることを専門としています。
太っていると採血するのも一苦労
記事の始めに、ここでの「太っている」がどれくらいかを示しておきます。
人間がどれだけ太っているかを考えるのに重要なのは身長と体重のバランスなのですが、例えば155cmで72kg, 160cm で77kg, 165cmで82kg, 170cmで87kg, 175cmで92kg以上の人をさします。
太っている人の採血をするのは、いつも大変です。
採血って、腕のひじにある細い静脈ですることが多いのですが、太っている人だと脂肪に埋もれてしまい見えづらいのです。
このひじの静脈はだいたい3mmくらいの直径です。
太っている人でも血管の太さはあまり変わりないので、相対的にはとても細くなります。
採血をするときは普通、目で見て静脈の青い色が皮膚から透けて見えるのを助けにします。
ですが、太っている人だとそれも見えないのですね。
見えないときは触って血管を探しますが、埋もれているためやっぱり探しづらいのです。
太っている人にやりづらいのは採血だけでなく、点滴も同じです。点滴は採血をするような細い手の静脈に管を入れることが普通なので、脂肪に埋もれているとやっぱり入れづらいのです。
太った人の手術は値段が違います
そしてあまり知られていない事実なのですが、太った人の手術は値段が高くなります。
手術にもよりますが、最低でも8万円以上は高くなってしまうのです。
これは、上に書いた身長と体重のバランスよりもさらに太った人の場合です(BMI>35)。
身長が165cmの人で95kg、170cmでは101kg以上になります。
ただし、患者さんが払う額が8万円高くなる訳ではありません。その人が入っている保険にもよりますし、高額療養費制度を利用すると減額されます。
しかし、値段が上がるということはどういうことなのでしょう。
手術を一件すると病院が得られるお金というのは、日本中どこでも同じで決まっています(保険診療に限りますが)。
正確に言えばここで値段が高くなるというのは、麻酔の料金が上がるのです。
つまり国が「太っている人の麻酔は大変だから、お金を多めにつけますよ」と言っているという意味に他なりません。
では麻酔をかける際に、太っている人だと何が難しいのか。
これは非常にたくさんあるのでキリがないのですが、一部をあげれば「麻酔のために使う、患者さんに入れる管を入れる難易度が上がる」ことが挙げられます。
例えば全身麻酔であれば、口から気管という空気の通り道に人差し指くらいの太さのチューブを入れますが、これがまずとても入れづらい。
さらに背中からいれる「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」と呼ばれる痛み止めの管は、痩せている人に比べるとはるかに入れづらいのです。
痩せた人には6cmくらい刺せば入れられる管が、太っていると10cmくらい必要になることもあるほどです。
外科医にとっても肥満の患者さんは「宝探し手術」
一方、私のような外科医にとっても太った患者さんの手術は難しいのです。
お腹のなかの腸を切る手術でお話します。腸を切るためには血管を切らなければなりませんが、その血管はとっても豊富な脂肪に包まれています。
痩せている人であれば透けて見えるような血管も、太った人は厚い厚い脂肪の中を少しずつ切り進んで探さねばなりません。
まるで「宝探し」のようなものです。当然血管を傷つける可能性も高まりますし、手術にかかる時間も長くなります。
それ以外にも、あらゆるところで脂肪がせり出してくるために胃や腸などの重要な臓器が見えづらくなります。見えづらいということは、傷つける危険が増すということです。
こんな理由で、外科医にとっても太った患者さんは手術が難しくなるのですね。筆者の感覚でいえば、30分や1時間は痩せた人より手術の時間がかかってしまいます。
続きはサイト先で
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6241569